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お知らせ
日本の原点色
2020年7月13日
最も古い日本の原点色は「アカ、クロ、シロ、アヲ」の4色です。
古代日本人には色の表現が無く、その代わりに明暗顕漠(めいあんけんばく)を
原義とする光の感覚で色彩を表現したようです。
明=赤、暗=黒、顕=白、漠=青で、例えば、赤の他人とは明らかな他人という意味、
又、腹黒い人とは心根が暗いという意味になります。白は太陽光線を表すようで、
はっきりとした色のことで即ち顕、青は白の反対でぼやけている色で灰色のことを言いました。
青春とは若い人を指して表しますが、本来はぼやけた人という意味で、
成熟していない若い人の意味になるのだそうです。
この4色は、色名の後ろに直接「い」を付けて、「赤い、黒い、白い、青い」と
自然な表現になり、また、「赤」と「白」(紅白、赤白帽子など)、
「赤」と「青」(赤鬼、青鬼など)、「黒」と「白」(囲碁など、
悪いことをしたときに「シロ・クロ」とも言います)など反対の色を持つ言葉も、
この4つの色名以外に日本語では存在しません。
更に、「赤々と」「青々と」「白々(しらじら)と」「黒々と」いった色名を重ねた副詞も、
この4つの色以外存在しません。
日本の原点色は、長い歴史の中で、単純に色を表すだけではなく
様々な使い方がなされていたのです。
古代の赤
2020年7月8日
古代の日本で、最も重要かつ好まれた色は「赤」でした。
赤は、太陽、炎、血液等、エネルギーや生命を感じさせるところから、
強い色=邪悪な者にも打ち勝つ色と認識され、縄文時代の頃には
すでに、魔よけの色として土器や日用品にも多く用いられていたのです。
中国の書物「魏志倭人伝」によると、卑弥呼は絳青稴(こうせいけん)と
呼ばれる織物を献上したとあります。絳(こう)が赤の事で、稴とは織物を
指している言葉です。
魏志倭人伝にはこの他にも「倭人は体に朱丹を塗っていた」とあります。
顔や体に顔料を塗って呪いやお祈りに用いる民族がいますが、この頃の日本人は
朱色の彩色していたと推察されます。
古墳時代にも石室内に多くの赤が使われました。
実際、柩に朱の粉を大量に敷き詰めていた古墳も発見されています。
茨城県ひたちなか市の虎塚古墳では、凝灰岩のうえに白色粘土で下塗りをし、
酸化鉄を用いた赤色顔料で模様が描かれています。
先史から古墳時代の人々は、特別な意味を込めて赤を使用していたようです。