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古代の赤
2020年7月8日
古代の日本で、最も重要かつ好まれた色は「赤」でした。
赤は、太陽、炎、血液等、エネルギーや生命を感じさせるところから、
強い色=邪悪な者にも打ち勝つ色と認識され、縄文時代の頃には
すでに、魔よけの色として土器や日用品にも多く用いられていたのです。
中国の書物「魏志倭人伝」によると、卑弥呼は絳青稴(こうせいけん)と
呼ばれる織物を献上したとあります。絳(こう)が赤の事で、稴とは織物を
指している言葉です。
魏志倭人伝にはこの他にも「倭人は体に朱丹を塗っていた」とあります。
顔や体に顔料を塗って呪いやお祈りに用いる民族がいますが、この頃の日本人は
朱色の彩色していたと推察されます。
古墳時代にも石室内に多くの赤が使われました。
実際、柩に朱の粉を大量に敷き詰めていた古墳も発見されています。
茨城県ひたちなか市の虎塚古墳では、凝灰岩のうえに白色粘土で下塗りをし、
酸化鉄を用いた赤色顔料で模様が描かれています。
先史から古墳時代の人々は、特別な意味を込めて赤を使用していたようです。