ずっと待っていた、シルクが出来ました。

News

お知らせ

展示会やメディア掲載その他日常のお知らせなど

古代の赤

 

古代の日本で、最も重要かつ好まれた色は「赤」でした。

赤は、太陽、炎、血液等、エネルギーや生命を感じさせるところから、

強い色=邪悪な者にも打ち勝つ色と認識され、縄文時代の頃には

すでに、魔よけの色として土器や日用品にも多く用いられていたのです。

中国の書物「魏志倭人伝」によると、卑弥呼は絳青稴(こうせいけん)と

呼ばれる織物を献上したとあります。絳(こう)が赤の事で、稴とは織物を

指している言葉です。

魏志倭人伝にはこの他にも「倭人は体に朱丹を塗っていた」とあります。

顔や体に顔料を塗って呪いやお祈りに用いる民族がいますが、この頃の日本人は

朱色の彩色していたと推察されます。

 

古墳時代にも石室内に多くの赤が使われました。

実際、柩に朱の粉を大量に敷き詰めていた古墳も発見されています。

茨城県ひたちなか市の虎塚古墳では、凝灰岩のうえに白色粘土で下塗りをし、

酸化鉄を用いた赤色顔料で模様が描かれています。

先史から古墳時代の人々は、特別な意味を込めて赤を使用していたようです。