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季に合いたる色
2020年6月3日
日本独自の色の文化が花開いたのは平安時代と言われています。
飛鳥、奈良時代は中国の隋や唐の影響を多く受けていましたが、平安時代に
菅原道真が遣唐使を廃止した結果、日本独特の自然観が生じました。
こうした時代背景から ひらがなの発明があり、それを用いて歌が詠まれるようになります。
その時、主題となったのが季節感でした。
日本の四季の移り変わりを楽しみ、尊び、歌に表現していったのです。
また、源氏物語が生まれた平安時代、季節を敏感に感じて
「季に合いたる(季節に準じた)」色をまとい、生活の中に取り入れることも
貴族のたしなみとされました。
当時、着物に使用されていた絹は非常に薄く、裏地の色が表に透けて
独特の色味が現れたことから、人々は衣装一枚ごとの表裏の色合いや
光が透過した時に見える微妙な色合いの違いを楽しんできたのです。