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勝ち色
2020年10月14日
応仁の乱以降、政治の中心は京都から鎌倉へ、文化を作り出す中心も
貴族から武士へと移り変わります。戦続きの乱世であったことから、
この時代に誕生した色名は16色という少なさであったと言われています。
武士たちが合戦に赴く際に身につける甲冑には、黒に近い藍色である
褐色(かちいろ)が好んで用いられました。「かち」という音が、「勝ち」に
つながることから、「勝ち色」として縁起が良いとされたようです。
また、軍団編成における色揃えとして、全身を赤で統一する「赤備え」は、
有力大名の精鋭部隊に与えられることが多く、強さを表す色として重宝されました。
事実、武田信玄の「赤・金・白」の配色は、「武田の赤備え」と呼ばれ名を馳せました。
武田家の元家臣であった真田幸村の配色も、「強さの赤」に「勝ち色」の青という
大胆な組み合わせでした。
その他、戦国大名たちが着用した陣羽織にも原色や異色の対比が多く、
平安貴族とは異なる色彩感覚が育まれたことがうかがえます。