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色と染料
2020年6月15日
時代によって変化はありますが、総じて紫や赤は上層階級の色、
縹色(藍染)、桃色(一斤染め)、茶色、鼠色は庶民的な色とされてきました。
紫は藍と紅、又は紫草、赤は紅を染料とし、高価なうえ手間もかかるため、
庶民的ではなかったようです。縹色は藍染ですが、江戸時代になると綿の普及や
染色技術の向上により一般的になりました。桃色(一斤染め)は紅花染めですが、
紅の残り液で染めるようなものだったので安価です。茶は身近な植物すべてが持つ
タンニンを注出して染められ、鼠も身近な団栗や墨を使うので安価でした。
今は高貴な色、庶民的な色などと気にして衣服を着る必要はありませんが、
日本の自然を豊かな感性で取り入れてきた先人に学びながら、美しい色彩を
日々の暮らしの中に取り入れていきたいものです。